“イケボ”坂東彦三郎にチャンス到来 「夏祭浪花鑑」で主人公・団七九郎兵衛を初役で演じる_すもも 顔
低く響く心地よい声。イケボ歌舞伎界きっての“イケボ”で知られる坂東彦三郎(48)は9月、坂東兵衛東京・新国立劇場(中劇場)の「夏祭浪花鑑(なにわかがみ)」(1~25日)で主人公の団七九郎兵衛を初役で演じる。彦郎役で演じすもも 顔近い世代では松本幸四郎、にチャンる片岡愛之助、夏祭市川團十郎、浪花中村勘九郎らが演じている。鑑で手堅い芝居に定評があり、主人満を持してのチャンス到来だ。公・
「スターさんがやる役と思ってきたが、団郎そこに挑める機会をいただき、を初うれしい。イケボでもマラソンに例えれば、坂東兵衛すもも 顔彼らはゴール近くにいるのに、彦郎役で演じ僕はまだ競技場も出てないくらい離されている。にチャンるでもできない人に仕事は来ないと思うので」
「夏祭―」は元禄時代に起きた舅(しゅうと)殺し事件などを題材に、大阪の風俗や人情を色濃く描き出していく。「でもここに(役の)心を入れていかないと」。公演ポスターを見たとき、彦三郎が発した言葉だ。演じたことのない役の化粧をして衣装を身につけた姿。「でも心が…。こうやって残るのは宣伝写真のこわい一面かもしれません」。幸四郎に教わるが、まだ自分が役として生きてない、役に十分血を通わせられていない、ということだろう。この人を形成する芝居観を見る思いがした。
父の初代坂東楽善(81)からは芸の品格や「役らしさ」を言われて育った。「細かく具体的でなく余白の多い教え方で。子どものときは、あまり理解できなかったけれど、いまはそれで良かったと思う」。自然に自ら役を深く考えることを身につけていく。再度、特徴ある声について聞くと「特別なことはせず、気がつくとこの声に。心がけているのは三階席の一番後方までセリフをきちんと届けることでしょうか」。(内野 小百美)
〇…団七と義兄弟の契りを結ぶ徳兵衛には、弟の坂東亀蔵(45)。普段、兄弟仲は大変良いそうだが彦三郎は「兄弟は関係なく、尊敬する役者と一緒に舞台を作るという気持ち。容赦しない」と苦笑い。共演は片岡孝太郎、市川男女蔵、片岡亀蔵、中村鷹之資ら。歌舞伎は新国立の中劇場だが、小劇場(7~22日)では同演目の文楽も上演。
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